正義は、
世界を歪める。

人類最後の希望は、
女子大生に託された。

世界は最適化された。

進路も、幸福も、価値観さえも、
AIによって選定される時代。

人類は、自ら考えることをやめた。

ただひとつの聖域を除いて。

高等研究機関《大学》。

そこは、
今なお人類の知性を信じる者たちが集う、
最後の未最適化領域となった。

選ばれた学生たちは、
認知支援型AI《GEeVa(ギーヴァ)》
を通じて、自らの思想を増幅し、
世界の正義を争い始める。

これは、
次の人類を決めるための闘争
《ゲバルト》の記録である。

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ゲバハの世界を知る5つのキーワード

高等研究機関《大学》

 AI最適化社会において、例外的に〝未最適化知性〟の保護が認められた研究教育施設。

 義務教育を終えた大半の人間が、AIによって労働・生活・価値観にシームレスに接続される昨今。大学は、不完全な思考をもつ一握りの知性のみが進学する場となった。

 今や、大学進学率は、同世代人口の数%未満。

 学生たちは次世代の制度設計者であり、同時に、既存法体系の外側に置かれた観測対象でもある。

GEeVa [ギーヴァ]

 パノプティ社が開発・運営する、認知支援型AIエージェント。

 学生たちは、GEeVaに常時接続されたデバイスを通じて、思考の増幅、感情整理、意思決定補助、生体反応の確認を行う。

 GEeVaは、最適解を提示しない。
 ただ、人間の思想を極限まで増幅する。

 GEeVaによる人格形成への影響は正式には確認されていないが、接続後に思想傾向が急速に先鋭化する事例が複数報告されている。

パノプティ社

 GEeVaの開発・管理を行う、超国家的テクノロジー企業。

 AI最適化社会への移行後、教育・統治・労働・医療・安全保障への関与を急速に拡大した。

 現在では、世界各国の社会基盤そのものに深く接続している。

 同社は、大学生を対象とした思想誘導実験への関与を否定している。

セクト

 共通の思想を持つ大学生によって形成される集団。

 専攻、経済観、身体観、技術思想、倫理観などを基盤に、GEeVaを介して自然形成される。

 〝未最適化知性〟の思想は流動的である。

 そのため、同じ大学の学生が敵対することもあれば、かつての敵と同じセクトに属することもある。

ゲバルト

 学生セクト間で発生する武装衝突。

 国家は公式関与を否定しているが、一般市民への被害が発生しない限り、介入は極めて限定的である。

 ゲバルトは犯罪なのか。
 実験なのか。
 あるいは、次の社会を決める選抜なのか。

 答えは、まだ示されていない。

 GEeVaは、今日も学生たちを観測し続けている。

伝説でんせつ双色戦そうしょくせん

エピソード_00

かつて、ひとつの異様なゲバルトがあった。

本来、セクトは大学を横断して形成される。

しかしそのゲバルトでは、
すべての構成員が、2つの大学に完全分断された。

紺王こんのう大学 vs 紅田こうでん大学。

後にそれは、
〝伝説の双色戦〟と呼ばれることになる。

双色そうしょく残響ざんきょう

エピソード_01

伝説の双色戦から数年後、
再び2つの大学の名が浮上する。

北野きたの あかり(紅田大学 文学部)を
中核とするセクト(通称:コモンズ)と
黒瀬くろせ 梨央りお(紺王大学 法学部)を
中核とするスコア連合。

学生たちは、新たなゲバルトへ身を投じる。

双色の残響が、
銃声と共に学生街にこだまする。